口腔機能低下症
口腔機能低下症(オーラルフレイル)を知っていますか?
平成28年には80歳以上で20本以上の歯を有しているいる人が50%を超えました。
しかし噛みにくいという訴えは年齢とともに増加傾向にあります。
一般的には歯が多く残っているとよく噛めるということになるのですが、どうしてでしょうか?
それは口腔機能が低下していることが疑われます。
心身の活動が低下していることをフレイルといいます。
フレイルは身体活動や精神活動や社会的活動が低下している状態なのです。
以下の図のように、フレイルに口腔機能が関係していることがわかります。
口腔機能低下を放置していると、介護が必要にあったり誤嚥性肺炎になったりする可能性があります。
自覚するのが難しく、口腔機能低下は50歳前後からはじまっています。
参考文献 荒井秀典:フレイルの歴史、概念、診断、疫学
口腔機能低下症 チェックリスト
① 硬いものが食べにくくなった
② 汁物を飲むときに時々むせるようになった
③ 口の中が乾くようになった
④ 薬を飲みにくくなった
⑤ 滑舌が悪くなった
⑥ 食事をするのに時間がかかるようになった
⑦ 食べこぼしをするようになった
⑧ 食事に口の中に食べ物が残るようになった
一つでもあてはまる項目があったら口腔機能低下症の疑いがあります。
口腔機能低下症の診断基準
① 舌のよごれ(口腔衛生状態不良)
② お口の中の水分量(口腔乾燥)
③ 咬む力や残っている歯の数(咬合力の低下)
④ 舌や唇の動き(舌口唇運動機能低下)
⑤ 舌の力(低舌圧)
⑥ 食物を細かくする力(咀嚼機能低下)
⑦ モノを飲み込む力(嚥下機能低下)
2018年より健康保険適応で検査ができるようになりました。
当院は施設基準を満たしており、口腔機能低下症の検査に対応しています。
そのままにしておくと・・・
口腔機能低下症は加齢や全身疾患、入れ歯や歯周病の状況などからお口のを十分に使用しないことによって症状がすすんでいきます。
そのままにしておくと、筋力や機能の低下が進んで食事がしづらくなっていきます。
その結果、全身の健康に必要な栄養の摂取にも影響が出ることになってしまいます。
参考文献 平野浩彦:オーラルフレイルを知る 日本老年医学雑誌,53:327-333,2016.
オーラルフレイルがフレイルにつながる
オーラルフレイル(口腔機能低下症)が、フレイルにつながっています。
お口のわずかな変化になかなか気づかない方が多いです。
お口の変化を放置せずに歯科医院に相談されてはいかがでしょうか?
口腔機能低下症の検査をしましょう
65歳以上の人は健康保険適応で検査を行えます。検査は20分ほどで終わります。
高齢になると、お口のケアがおろそかになる方がいます。
少しでも気になる方は、ご相談ください。
参考文献 太田緑、上田貴之、小林健一郎、桜井薫:調査報告 地域歯科診療所における口腔機能低下症の割合
検査をしたら
口腔機能低下症の検査をし、口腔機能低下症と診断された方は機能訓練を行います。
そうすれば口腔機能の回復、維持が期待できます。
その後、定期的に機能訓練や口腔機能検査を行い、継続的に口腔機能の管理を行います。
重症化予防が大切です。
石井歯科医院
65歳以上の方は口腔機能低下症の検査を健康保険適応で行えます。
お気軽にお問い合わせください。
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