歯科処置前の抗菌剤予防投与に関する最近の見解は
下記のとおりです。
歯科処置前の予防的抗菌薬投与の有用性を確認
完全中止勧告後の英国で費用対効果を検証
英国立医療技術評価機構(NICE)は2008年に侵襲的歯科処置を受ける有リスク患者に対する感染性心内膜炎(IE)予防を目的とした抗菌薬予防投与(AP)を完全に中止する勧告を出し、これを受けて英国内のAP処方は急激に減少していた。このような特殊な状況にある英国において、侵襲的歯科処置を受ける有リスク患者に対するIE予防を目的としたAPの費用対効果を検討した結果、APは費用対効果に優れていることが確認された。論文はCirculation誌上で11月15日に発表された。
引用元:日経メディカル 2016年12月2日
歯科での予防抗菌薬減り感染性心内膜炎が増加
歯科で侵襲的な治療を受ける患者には、感染性心内膜炎の予防を目的に抗菌薬の予防投与が行われてきたが、2008年に英国国立臨床有用性評価機構(NICE)は、こうした予防的な処方の完全中止を勧告した。その勧告後、英国では歯科での抗菌薬の予防的な投与が有意に減少した一方で、感染性心内膜炎による入院が有意に増加したことが、後ろ向き研究の結果として示された。英Taunton and Somerset NHS TrustのMark J Dayer氏らが、Lancet誌電子版に2014年11月18日に報告した。
引用元:日経メディカル 2014年12月16日
感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイド ライン(2008年改訂版)
抗菌薬の予防投与については,抜歯などの歯科. 的処置の前には従来どおり実施することを推奨する
歯原性菌血症
菌血症とは、傷口から細菌が血中に入り込み、全身の血管を巡るものをいう。歯科と関連したものを歯原性菌血症と呼ぶが、たとえば、う蝕や歯周病もその状態を放置していると歯を磨くだけで歯原性菌血症が起きる。歯原性菌血症にはスケーリングや抜歯などの医療行為で発症する医原性菌血症と、歯磨きなどの生活習慣の不良によって発症する日常性菌血症の2つある。菌血症の累積頻度を考慮すると、医原性菌血症よりも日常性菌血症のほうが圧倒的に高い。歯原性菌血症は、プラーク指数、歯肉炎指数に比例して増加する。したがって、歯原性菌血症を予防するためには、プラーク指数と歯肉炎指数を低下させること、すなわち日常的な歯磨きと専門家による定期的な歯のクリーニングが必要である。また、咀嚼によっても口腔内細菌が血中に侵入する。その程度は歯周病の重症度と関係しており、歯原性菌血症の予防は、地道な口腔衛生活動と歯周病の治療が大切といえる。
当院での投薬方針
抗菌薬の乱用は避けます。
適切な歯科処置前の抗菌薬予防投与を行います。
歯原性菌血症の予防につとめます。
福岡県柳川市の石井歯科医院
ご予約・お問い合わせは
TEL : 0944-73-7792
HPはこちら、http://www.ishiishika.info/